世間では、未就学児から英語学習熱が過熱し、
政府は、英語の早期教育を開始していますし、
アップヒルでも、小学生から中学英文法を教えています。
でも、こんなに英語を一生懸命勉強して本当に役に立つのでしょうか?
日本語と英語は言語体系が離れているので、日本人が英語を習得するには、
ヨーロッパ語圏の人が英語を習得するよりも長い時間と労力が必要です。
そんなに時間をかけて、私たちはそれに見合う位の人生への効果が得られるのでしょうか?
実際毎日の生活で英語を使わないし、英語なんて実は必要ないんじゃないの??
なんて、思っている親御さんや生徒さんもいらっしゃるかと思います。
でも、本当に必要ないのでしょうか。
親御さんの世代は・・・
確かに、現在30~50代の私たち親世代では英語なしでもそれほど問題はありませんでした。
それは、日本の人口が多く、日本の経済圏だけで経済が回り、
日本企業には各国がハイテクと羨むような技術力があり、
そのため、日本市場だけでも仕事をして充分なお給料がもらえて生活に困らなかったからです。
けれども、今はどうでしょう。
現在は・・・
日本と日本を取り巻く環境は大きく変わって来ています。
人口構成が高齢化し、出生率は年々下がり続け、
1960年には現役世代11.2人で65歳以上の高齢者1人を支えていたのが、
今は2人で高齢者1人を支えています。
これが、子供たちが現役世代になる20年後には1.4人で1人を支えることになります。
一方で、各国の賃金上昇とインフレが加速するなか、日本の物価や賃金はこの20年間ほとんど上がっていません。相対的に日本は、物価も賃金も安い国になっています。
日本はいつの間にか物価の安い国として、他のアジア諸国からの旅行客にも人気の観光地になっています。日本人にはお金がないので、海外旅行や留学をする人は減りました。
賃金があまり変わらず、年金や健康保険の支払いは増え、消費税も上がっているので、暮らし向きは厳しくなっています。
外国人の日本に対する見方も変わりました。
20年前は、
「日本はハイテクですごいよね。」というイメージだったのが、
「日本は桜がきれいだよね。見に行きたいんだ。」と言われることが多くなりました。
これはどういうことかというと、日本は技術面、特にICTにおいて各国に後れをとるようになっていて、すでに「ハイテク国家」のイメージはなく、
その代わり、「物価が安い旅行先として人気の国」になってきているのです。
にもかかわらず、技術進歩の源となる科学研究費や教育予算も削減されています。
加えて、日本人は長時間働く割に時間当たりの生産性の低さも問題になっています。
日本国内で需給を満たしてきて、新しい技術や文化を取り入れなかったため、日本人の生産性が上がっていないので、賃金低下圧力になっています。
その他、日本ならではの家父長制や働かないおじさん問題、女性の管理職や政治家の少なさも相まって、日本の有名企業は必ずしも良い就職先ではなくなってきています。
コロナ打撃もあり、一昔前の大企業は倒産の危機にあります。
暗い話ばかりですが、
このように上げたらきりがないような問題のために、今の若者世代は日本社会に希望が持てなくなっています。
そして、出生率がさがる。
そして、更に苦しくなる。負のスパイラルです。
現状からみれば、日本の将来は暗たんとしているのですが、
そんななかでも、私は、英語ができるようになることは子供の将来に、「希望」と「可能性」を与えてあげることだと思っています。
英語ができると・・・
日本市場や日本国内に自分を縛る必要がなくなります。
外資企業や海外で働くことができます。
雇用されるのではなく自営業だとしても、世界の色々な国から仕事をもらう働き方もあります。
もちろん、スキルがなければ戦力として雇ってもらえないので、英語に加えて何かスキルを身に付けることを考える必要がありますよ。
現在就職先として人気の企業というと、アメリカの会社GAFAM(Google、Amazon、Facebook(現在はMeta)、Apple、Microsoft)ですよね。
外資では当然英語を話せるに越したことはありません。
日本企業でも大きな会社はグローバル企業です。
楽天は海外の優秀な技術者を雇用するため公用語を英語にしていますし、他の有望な大企業もグローバル化しています。
情報をより効果的に扱えます。
ネット上では英語の情報が9割ですので、情報を早く沢山手に入れることが出来ます。
海外の人とつながることもできますし、海外に発信することもできます。
SNS、ブログやYouTubeの視聴者を海外に広げることもできます。
科学研究はやはり英語が共通語なので、研究を効果的に進めることができます。
論文は英語で書く必要がありますし、
地球温暖化の研究でノーベル物理学賞を受賞した眞鍋淑郎さんもアメリカでは自由に研究ができ、研究費を十分に出してくれるとおっしゃっていました。
研究分野でもよりチャンスが巡ってきます。
科学者でなくとも、大学などに行ってアカデミックな勉強をするならば英語は必須ですよね。
日本の大学入試で英語が必要なのはもちろん、海外留学も行けますし、
大学に行かずとも、海外のオンラインコースで自分の技術分野関連のことを学んで学位や資格を取得するという選択肢もあります。
海外の資格は、外国で就職する場合、むしろ日本の大学を卒業するよりも就職に有利なこともあります。
でもそのレベルになるには、かなりの英語力がないといけないのでは?
上級レベルになってやっと、上記の全てが可能になるわけではなく、
英語力に比例して可能性も徐々に広がっていくイメージを持っていましょう。
もちろん英語が不自由なく話せる方が便利ですが、
例えば、英語論文の査読にネイティブの力を借りることもできますし、
ある程度の英語力+自分の技術力で就職することもできます。
いかがでしょう。
それでも「英語は必要ない」と言い切れますか?
「英語は必要ない」と言った瞬間、自分の可能性を狭めていませんか?
「将来を見据えて」なんて気の長い話は子供には通用しないと思いますが、
英語を学習して、とんとんと英検に合格していくと、子供たちの自信にもつながるものです。
将来に対してポジティブな展望を持つことが、今の「幸福感」につながるとも言われています。
わくわく楽しく英語を学んでいきましょう。
きっと人生で何か得する効果があります。