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なぜシャドーイングで英語が上達するの?

今回は、リスニングやスピーキングに効果があると言われているシャドーイングについて、なぜ効果があるのか?を科学的に説明したいと思います。

シャドーイングとは?

元々は同時通訳の練習方法で、耳で聞いた音声を聞いたそばからどんどん言葉で出していく練習方法です。
これによって、音を集中して聞きながら、少し遅れて口からもアウトプットをする訓練になります。

近年では、シャドーイングがリスニングやスピーキングにも有効ということが分かってきたため、小、中、高校の授業などでも取り入れられるようになってきました。

では、このシャドーイング、なぜリスニングやスピーキングに有効なのでしょうか。
ただ聞くだけや、音読とはどう違うのでしょう。

シャドーイングやったことあるけど、何が役に立つんだろう???
特に上達を感じないなぁ・・。

そこで、今回は「シャドーイングの何が効果的なのか」を解説したいと思います。

こちらの本を参考にさせていただきました。

シャドーイングで鍛えられる能力

シャドーイングで英文を練習することで、

英語を聞き取って、

内容を理解し、

英語で発話する、

という英語での一連のコミュニケーションがスムーズになると言われています。

では、具体的に、どのような作用でこれらの能力が鍛えられるのでしょう?

もう少し分解してみていくと、シャドーイングは以下の4つの効果があるそうです

  • インプット効果
  • プラクティス効果
  • アウトプット効果
  • モニタリング効果

ひとつずつ見ていきます。

インプット効果

私たちは、音を聞いたとき、脳の中でその音を発音しているそうです。

「ミラーニューロン」と言いますが、

人は、他の人の動きを見たり聞いたりすると自分がやっているように脳に映し出すそうです。

実際に、脳のMRIを撮影すると、例えば、「とり」と聞いたときに、脳では自分が「とり」と発音するときの部分か活性化することが分かっています。

このような理由から、lとrが自分で区別して発音できない人は、

脳に自分がlやrと発音する神経反応が出来ていないので、

他の人のlとrの発音を聞いても区別できないということが言えます。

シャドーイングでは、ネイティブ音声の「模倣」と「再現学習」をします
英語の音声を聞くのみでなく、真似して発音してみることで、
自分の脳にその音を知覚するための神経をより強く構築することができます。
つまり、自分の脳の中に英語を受け入れる辞書ができていくのです。

すると、次に同じ音声を聞いたときに、脳の辞書が反応して理解してくれるのです。

プラクティス(練習)効果

英語のみでなく、どのような分野でも練習の効果はよく知られていますね。

「練習」がどのような効果を産むかと言いますと、練習によって、

  1. 意識してやっているものを、
  2. 練習によってある程度自動でできるようにし、
  3. さらには考えなくてもできる(無意識化)することができます。

自転車などは、意識しているうちはよたよたしてしまいますが、練習を積むと無意識で乗れるようになりますよね。

英語でも、スムーズなコミュニケーションには母語のようにある程度無意識に話せるようになるのが理想ですが、シャドーイングは、練習効果この無意識化を促進してくれるのです。

また、私たちはリスニングや黙読をする際にその音声を心の中で反復しているのですが、ャドーイングの練習によって、この心の中での反復が高速化されます。
単に聞くだけ場合よりも、シャドーイングをする方が心の中の反復が高速化されることが分かっています。

アウトプット効果

アウトプットの上達も期待できます。

発音が上手になる

シャドーイングで、自分の発声を英語音声に寄せながら繰り返すことで、初めは異なっていた発音も徐々に英語音声に近づいていきます。

繰り返す回数に関する実験では、

5回のシャドーイングが最も英語音声に近づく効果があったようです。

5回以上続ければ当然さらに効果が望めますが、効果のカーブが緩やかになっていきます。

シャドーイングで英語音声に近づける効果を早く感じたいと思った場合は5回を目安に繰り返してみましょう

シャドーイング後は音読も上手になります

さらに、英語音声の話者になりきってシャドーイングをするとより効果的です。

スピーキングが流暢になる

私たちは、英語を発話するとき
頭の中で、

  1. メッセージを作成して、
  2. それを言葉にして、
  3. 声に出す、

というステップを踏んでいます。

では、②で言葉にするとき、以下のどちらのプロセスがスピーキングをより流暢にするでしょう?

  • メッセージを 文法規則や単語の知識を駆使して言葉にする
  • メッセージを 知識にある文脈や言葉のまとまりを使って言葉にする

直感的にお分かりになると思いますが、
2つ目の方です。

文法と単語をつなぎ合わせて組み立てて・・・、ということをいちいち頭の中でしているとスピーキングには時間がかかってしまいますし、文脈を考慮せず文法と単語をつなぎ合わせていくだけでは適切な単語や表現が使えないこともあります。

文法知識は必要ですが、ピーキングには、文脈やまとまりで覚えた英文を使う方がよいのです。

シャドーイングは英文をまとまりや文脈の中で話すシミュレーションになりますので、英語の文脈やまとまりの知識が蓄積されて、スピーキングの際にまとまった英語が出てくるようになるのです。

モニタリング効果

学習を進める上で、目標は何か、学習が進んでいるか、自分の弱点は何か、などを確かめて(モニタリング)、目標を調節したり、学習計画を変更したり、自分の弱点を集中して学習してみる、など試行錯誤を繰り返していくことが重要です。

シャドーイングをすることで、英語音声を聞いて復唱するのと並行して、自分が復唱した音声も聞いて自分でフィードバックすることになります。

この同時処理のために、自分のシャドーイングがうまくできてるかモニタリングする能力が鍛えられるといいます。

脳のMRIでも、リスニングよりもシャドーイングの方が、脳のモニタリングをする部分(前頭連合野)が活性化していたそうです。

シャドーイングによる英語学習効果がお分かりいただけましたでしょうか。

シャドーイングで英語を学習することにより、
  • 脳に英語の辞書を作る、インプット効果
  • 英語の無意識化を促進する、プラクティス効果
  • 発音よくなって、流暢さが向上する、アウトプット効果
  • 学習のフィードバックを行う、モニタリング効果

が得られ、英語を聞いて、理解し、話すコミュニケーション能力が上達するのです。

学校では1回くらいしかシャドーイングしていないから、効果が感じられないのかもしれない。。。
何回も練習するのが必要なんだね。

そうなんです。

効果がある方法でも、適切なやり方で継続することが大切ですね。
試しに、ある程度内容の分かる教材を使って、5回シャドーイングをするところから始めてはいかがでしょう?

5回くらいならできるかな。

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